LAビート・シーンの恐るべき才能による「漆黒の」第2章。
数多くのメディアが、挙って年間ベストに選出した大傑作ファースト・アルバム 「Cerulean」から3年。セカンド・アルバムを最も待ち望まれていた、LA の奇才Will WiesenfeldことBaths。渾身の作品が遂に完成。強力なビートかつ全編にわたる情緒溢れるヴォーカル・ワークは前作を遥かに凌ぐ快心の出来映え。
今作のコンセプトは「apathy/無感情」。2011年、初の来日公演を控えた間近、 Willは大病を患い、ドクターストップを受け急遽ツアーを延期せざるをえない事態に陥った。何もできなかった自分の状態からダークで無気力な歌詞を思いつくよう になったと発する。その際に古代~中世ヨーロッパで蔓延したペスト(黒死病)を 描いた絵に大きな影響を受けたとの事。生きたまま埋められていった人々の様子や、死そのものやグロテスクなイメージ。冒頭「Worsening」から黒・漆黒をイメー ジさせる言葉が羅列する。「絶対に自分に対して不誠実であってはならない」というのは、彼の創作活動における信条である。有言実行とも言える、自身の環境・想いを見事に反映した作品となっている。
本作も前作同様Low End Theory を主宰し、フライング・ロータスのマスタリングを 務めた事でも知られるDaddy Kev が担当。マスタリング最中に、何度もやり直しを命じ 、Daddy Kev をして、「本当にタフなアーティストだよ」と言わしめたエピソードがある。一人のアーティストが、徹底的に納得するまで突き詰めた世界観を、本作を通して体感出来る筈だ。
Baths
LA在住, Will WiesenfeldことBathsは現在23歳. 音楽キャリアのスタートは, 両親にピアノ 教室に入れてもらった4歳まで遡る. 13歳の頃には, 既にMIDIキーボードでレコーディングをするようになっていた. ある時, Björkの音楽に 出会い衝撃を受けた彼は直ぐにビオラ, コントラバスそしてギターを習得し,新たな独自性を開花させていった. ファースト・アルバム「Cerulean」はインディーロック~ヒップホップリスナーまで巻込んだ。本作も前作同様LAのanticon. よりリリースされる。