The Drums-Encyclopedia
圧倒的な飛躍を成し遂げ、新章突入!
10年代インディ・ロック・シーンの最重要バンド、THE DRUMSによる最新作
バンドキャリア史上、そして、今年を代表するであろう会心作が誕生!
英、豪、米、そして日本でメガヒットを記録し、最早インディーズの枠を超え、人気を博している あの The Drums が遂に帰ってきた!!バンドの動向と一致するかのように、長い沈黙を突き破り、緊 張感走る M1「Magic Mountain」で本作は幕を開ける。各国のラジオ局でパワープレイを獲得し大ヒットをした「Let’s Go Surfing」テイストの甘酸っぱくも心を踊らせるM4「Kiss Me Again」は今年のアンセムになる事間違いなし!!今作は Summertime EP(2009) 以来、 初めてJonnyとJacob が全てを手がけた作品。本作制作中のエピソードとして、Jonnyは以下のように語っている。「僕らは、 怒りに満ち、困惑し、孤独だった…ただ何よりも自分たちに素直でいる事を最も大事にしていた.. 素直でいることは時に人を不快にさせることがある。僕らは高みを目指してビーチを捨てたんだ、 希望をいつも持ちながら…」アーティストとして円熟期を迎えるThe Drumsが再び世界中でセンセーションを巻き起こす!!
本作に寄せてバンド・メンバーによるコメント
『Encyclopedia』は、本当に美しい言葉だと思う。僕たちがバンドとして何かを決めるとき、時には美しいと言うことだけで十分だったりする。なぜならばこの世の中は醜いもので溢れているから、少しでも美しくて愛らしいものを啓発するものが良いと思ったんだ。百科事典は、この世にあるあらゆる題材について書かれている。そして僕らも今作では新しいものを発見し、学び、さまざまなアイディアやメッセージを表現している。まさに僕らにとっても新しい章に突入するような気持ちだし、音楽的にも人間的にも新しい旅に出るような気持ちだったんだ。
…僕らがくたばっても、僕らのレコードはまだ存在するんだ…しっかりとしたコンセプトがあって、美しくて、輝いているレコードを残したいんだ。長い間ね、死んだ後も。
The Drums
子供の頃にサマー・キャンプで知り合ったジョナサン(Vo),ジェイコブ(Gt)を中心に、2008年に結成されたアメリカ・ ニューヨークはブルックリン出身のバンドThe Drums。デビュー・EP「サマータイム」を2009年リリース。収録曲「レッツ・ゴー・サーフィン」は、どこか切なくも懐かしいサウンド、そして思わず口ずさみたくなる様なサウンド で日本を含め世界各国で軒並みパワープレイを獲得!NME,Pitchfork,BBCなど数多くのメディアが大絶賛!!デビュー・ア ルバム『ザ・ドラムス』の発売(2010年6月) に先駆け、初来日公演を果たす。公演はソールド・アウト。同年サマーソニックで再度来日を果たし、ここ日本でも人気を決定づける。デビュー・アルバムより、僅か15ヶ月のスパンでセカンド・アルバム『ポルタメント』をリリース。前作同様高い評価を獲得。2011年東日本大震災を受けてチャリティー・シ ングルを発表、その後、ライヴ活動、暫くの長期休暇を経て、今年7月突如サード・アルバム『エンサイクロペディア』のリリースを発表!アーティストとして円熟期を迎えるThe Drumsが再び世界中でセンセーションを巻き起こす!! また彼らは音楽面のみならずファッションセンスに置いても定評があり、元 Dior Homme、現在は、イヴ・サンローランのクリエイティブ・ディレクターを務めるエディ・スリマンまでもが溺愛し自らアーティスト写真を撮ったほど。
「純粋な喜びを人生で一度も味わった事が無いと思う」とJonny Pierceはニューヨークの明るい太陽の下で笑いながら言う。「どんな感じなんだろう。教えて!」
夏のまっただ中の日差しの中、喜びを知らない少年のかっこよさを兼ね備えた金髪の男性の姿がある。それをポラロイドにおさめて彼に渡せられたらな、そう思った。それか、もっと良いのは、この本質を液体にし、抽出し、試験管に入れられたらThe Drumsに命を与える性質が分かる。全く反対の二つの世界の混成なのだ。The Drumsの名前の由来のように、彼らの音楽が生まれるのは、終わりなく、叩かれ倒される時だ。
一体誰がこの笑っている彼に笑っている事は小さな喜びであるかもしれないと言えるのだろうか?決してJacob Grahamではない。彼はJonnyに言いたいことを言うのにたっぷり時間があった。どちらかというと、彼は物事を実現させる人だ。黒髪の彼は、感情的な爆発が少ないThe Drumsのもう一人だ。彼は悲しい笑いを全て表に出している人だ。
「Jacobと僕は負け犬で変わり者として生まれてきたんだ」とPierceは約6年前のデビューEP『Summertime!』の反応を振り返って言う。「子どもの頃友達はあまりいなかったんだ。僕らはホームスクールの教育を受けた。僕らは貧困の中育った。僕らはとても混乱していた少年達だった。負け犬の全てのカテゴリーに当てはまったから僕らは出会い、繋がったんだ。急にNMEの表紙に載り、The New York TimesからはEPへの褒め言葉を貰い、なんだか負け犬の反対になった気分だったんだ。僕らはその気持ちを楽しんだと思う。」と語る。
もちろん、その気持ちは長くは持たなかった。Pierceの人生への暗い考え方を通してそれが分かる。『The Drums』と『Portamento』は見事成功し、”Let’s Go Surfing”,”Best Friend”,と”Money”などのヒットもあり、一瞬幸せをつかめるかもしれなかった。そうしたら、マネジャー達は居なくなり、バンドメンバーは別れ、結果的にThe Drumsは解散しそうになってしまった。Pierceはこの暗い時期の中、悲しみと向き合い、悲しみを理解しているアーティストにしか分からないような真実を取り入れて、乗り越えた。その真実とは壊れている方が発展しないよりはましという事だ。元々の形である、JonnyとJacobとして二人は前へ進んだ。
「僕らにとって、美しい瞬間であり、怖い瞬間でもあった」とPierceは思い出しながら言う。「でも、安全性のある方向より、リスクの多い方を選ぶのが好きなんだ。全てが自動的に身から流れ去っていくような気持ち;それが危険なエリアだ。何も無い状態へ戻り、奇麗な始まりを切れるんだ。Jacobと僕が元々この[The Drums]の中心核として機能していたから、今はどんな決断をしても良いんだ。」
その決断とはまさにEncyclopediaの事だ。The Drumsの三つ目のアルバムを作るために、二人の音楽的に違うアイディアの方向と向き合わないといけなかった。Pierceはノー・ウェーブの事を考え(「ガレージ・レコードを作りたかったんだ!」)、Jacobは「The Sound of Musicと日本シンセのパイオニアの音」を混ぜたらどうなるかを考えていた。The Drumsらしく、彼らは全てを成し遂げる事にした。暗いリハーサルスペースを一年間使い、彼らの一番まとまりのある上品な作品を作り、録音した。暗い奇跡と言えるだろう。
「借りたスペースはとても陰気だった」とPierceは言う。「どこにも無いロフトに居た気分だったよ。部屋に入る度、とても落ち込んだ気持ちになった。違う方法もあったんだ。もっと楽な方法はあったけれど、人生の中で僕ら人間はなぜか自分の手によって苦しみを与えていると思うんだ。最終的にはそれがアルバムに映し出される。落ち着きすぎると、クリエイティブな部分が絞り出され、何もなくなってしまうんだ。この暗い経験は良い作詞に繋がったよ。僕らがこんなにも素晴らしく、偉大な事を成し遂げるのには、きっと暗闇の中から登り上がらないといけなかったんだ。」
Magic Mountainは自分を守るような歌だ。The Drumsにとってリスキーで保守的だ。武力と比べると、The Drumsはこの歌の中で剣を隠したり、降ったりしている。The Drumsの明るいサウンドを愛す人々によって、この歌は前とは違うサウンドだという警告は容易に読み取れる。
「頭をたたき、何が起こるかを見てみよう」とPierceはリードトラックに対して言う。「首を伸ばしているようだ。三年間待つという事はバンドにとって長い間だと思う。素晴らしいチャンスを与えられた気分だ。このアルバムは自分でいる事、そして自分を守る事だ。この美しいアルバムを作ったから、言いたい事を押さえる意味は無い。」
「自分が本当に聞いてみたかった、アルバムに聞こえるよ」とJacobがつぶやく。「“Let Me“と“U.S. National Parks“が同じアルバムにあるという事実がとても不思議だけど、どっちとも大好きだ。僕らの中だけでも、この曲達を上手く会わせる事が出来て本当に嬉しい。」
“I Can’t Pretend“よりこの真逆のエネルギーの組み合わせが見られる歌は無い。この歌はメロディックで平和な静かさがあり、暗いメッセージがあるとはなかなか思えないような物だ。一見“I Can’t Pretend“はシンプルに見えるが、歌詞の複雑さがEncyclopediaを引き込まれるような作品に仕上げている事が分かる。全てのキャッチーな歌を聞き切ったと思っても、何回も歌を聞いたら、秘密が徐々に表に出る。
アルバムのタイトルは全ての情報を取り入れようとしている本を指しているかもしれないが、百科事典的になるのはとても難しい事だ。一つの事に集中する学者の熱心と知識が彼を前へ進めるのだ。そう、まるでEncyclopediaを通してThe Drumsは自ら検鏡をし、自分たちの学者になったと言えるだろう。どれだけ難しくても。最初の状態に戻り、Jonny PierceとJacob Grahamは自分たちを今まで以上に理解し一つ一つの歌が新しい自信を引き出す。そして、美しいのは、軽い風によってこの歌が届けられたようにも聞こえる事実だ。
「“Wild Geese“を聞いた瞬間、レコードは仕上がり、最後の歌にならないといけないと分かった」とPierceはアルバムを作り終え言った。「僕らがくたばっても、僕らのレコードはまだ存在するんだ」とPierceは続けて言う。「しっかりとしたコンセプトがあって、美しくて、輝いているレコードを残したいんだ。長い間ね、死んだ後も。」
一瞬止まり、このアイディアを考え、Pierceは大笑いする。一体誰がやっと喜びを感じていると彼に言えるのだろうか?一体誰が死の顔に笑っていると彼に言えるのだろうか?一体誰が暗闇の中でも笑っている事を音楽にし、それをEncyclopediaと呼んだと彼に言えるだろうか?